ITエンジニア科教員の梶田です。
前回はクラウドについて言及しました。今回は学科のコース名に使われているもう一つのキーワード「セキュリティ」について話してみたいとおもいます。
昨年の春から国家試験に「情報セキュリティマネジメント試験」が新たに設けられたことはご存知でしょうか?この試験は「ITの安全な利活用を推進するための基本的知識・技能」が問われるもので、難易度としては入門に位置づけられるものです。
入門ではなくずっと難易度の高いスペシャリストであるレベル4(4段階の最上位)に位置づけられる試験としては「情報セキュリティスペシャリスト」というものがあります、ぢゃなかった「ありました」です。というのも、平成29年春からこのスペシャリスト試験も「情報処理安全確保支援士試験」という試験へ移行したからです。
情報処理に関する国家試験を実施しているIPAも時代に合わせて、また受験層に合わせて色々と試験を改めてきましたが、セキュリティに関する一分野に絞って集中的にドンと変えてきたのはあんまり例がないと思います。それは「セキュリティに関する知識と倫理観とを備えたユーザーやエンジニアの育成が急がれる」からに他なりません。質もそうですが、そもそも数がユーザーもエンジニアもとんでもなく不足しています。昔はサーバーの運用技術者が引く手数多の状態だったのですが、今はセキュリティ技術者です!
セキュリティに関する被害についてはもう社会的に看過できないところまで来ています。変な表現ではありますが、セキュリティはそれだけ「旬」なキーワードと言えます。
ITエンジニア科ではセキュリティに関することを(も)学びます。レベル的には当然スペシャリストである「情報処理安全確保支援士試験」に合格するものでして、実際に前身の「情報セキュリティスペシャリスト」には何人も合格者を出しています。
ですが、学科としては国家試験合格だけで事足りるとは思っていません。セキュリティは技術や知識だけではなく、最終的にはそれを運用する人間の倫理観・矜恃に帰するものだからです。良いソフトを導入し、立派な社内規則を設けているにも関わらず、情報漏洩に関する事件が後を絶たないのは、結局のところ人間が問題だからです。人間を育てて初めてセキュリティの技術が活きてくる。私はそう思っています。「結局は人間!」。この事は授業カリキュラムやコマシラバスに載っているわけではありませんが、折に触れて、そして私の経験も織り交ぜながら学生へ伝えていきたいと思っています。
松下電器産業(現パナソニック)の創業者の松下幸之助翁は次のような名言を残していらっしゃいます。
- 松下電器は人をつくっています。併せて電気器具もつくっております。 -
けだし名言だと思います。少々偉そうなことを言わせてもらえれば、この名言になぞらえて私としては次のように申し上げたいと思います。
- ITエンジニア科は人をつくっています。併せてエンジニアもつくっております。 -
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