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学科ブログ

SCHOOL BLOG
2021.12.23 ITイノベーション科・ITエンジニア科3年制 ブログ

【ITイノベーション科】トランジション

みなさんこんにちは。
ITイノベーション科は大学併修の学科です。
産業能率大学と併修しています。
年末ですので、その教科書から「トランジション」のご紹介をします。
トランジションはキャリア理論の一つで米国の人材系コンサルタントのウィリアム・ブリッジズが書いた原書です。
トランジションは単純な変化という意味だけではなく、過渡期、つまり、人の成長過程を表しています。

物事の変化は「はじまり」から始まると思いがちです。
しかし、ウィリアム・ブリッジズは「何かが終わる」ことから物事ははじまることとしています。
ここが他の理論とは違って秀逸なところですね。
物事をきちんと終わらせる。事柄だけではなくて、気持ちの上できちんとした整理をつける。
そういうことが非常に大事です。
もうすぐ2021年は終わります。
みなさんはどのような終わらせ方をしますか?

終わりがあると、次に訪れるのは「ニュートラルゾーン」と呼ばれる深遠な空虚感です。
大げさに言うと「アイデンティティーの崩壊」ですかね。
このときに人は自分の内面に向き合うことができます。
自分の本当にやりたいことに目を向けて下さい。
この空虚な時に、内面は大きな変化を起こします。
この期間をどのように過ごすかがとても大切になります。

そして最後に何かがはじまります。
新年に何がはじまるでしょうか?

高校を卒業する人は「高校生」というアイデンティティーを捨てなければならい時期です。
「親からいろいろなことをしてもらっている依存の状態」からどのように脱却するつもりかを解決しないといけません。
その解決なしに学生なり社会人にはなり得ないことは自覚してください。
「だれにも頼らず自分でやることができない人」に自律した未来はありません。
この「親への依存からの脱却」が未解決だと、次のトラジション「就職」のときに課題は再燃します。
問題を積み残すと次のトランジションは現在のトランジションよりも多くの労力が必要になるのです。

この本「トランジション」は、人生がそうであるように、若いうちは「本のありがたみ」を感じないのですが、年を取るに従って「ああそうだったと納得できる」不思議な本です。
若いうちに学べるということはいいことですね、

ITイノベーション科は単にWebサービスを作るだけの学科ではありません。
授業以外で1週間に1冊はITとは直接関係ない専門書を読む読書習慣が必要です。
これができないと大学の単位は取れません。

人の話を聴いて理解し、論理的に解釈するコミュニケーション力も必要です。
数に対するセンスも大切です。

「4年間あるからゆっくりできる」なんて考えている人は、「4年分の課題が詰め込まれていること」に目が向きません。残念なことです。

冬休みの間はトラジションで最も重要なニュートラルゾーンの期間です。
充実した時間になることを祈っています。